死にたい。
この言葉は、生きていて誰もが一回は思ったり、言ったりするのではなかろうか。私はどこかで、外国人が「どうして日本人はすぐ死にたい、死にたいって言うの?」と、友人なのであろう日本人に問いかけていたのを見たことがある。その日本人は、「あーあれは違うよ、あの意味は大体『仕事とか嫌なことから抜け出してハワイに行きたい』みたいな感じだから」と返していた。これは見たことがある人がいるかもしれない。とある大手SNSを使用している方なら見覚えもあろう。
見捨てないで 見捨てないで
僕が叫んだ
そして君が僕を抱きしめた
君なら大丈夫 君がそう言った
死ぬ勇気がないくせに、エアコンの室外機に登って、二階のベランダから下を見下ろしたことなんて何回あっただろう。ここから大量出血して死ねないかと、どれだけ私は刃を手首に入れただろう。
見下ろすたびに、父や妹や祖父は私を止めに来た。
手首を傷つけるたびに、母や祖母は優しく私の手首に薬を塗り、包帯を巻いてくれた。
私に皆がくれる優しさ。嬉しい。嬉しいのに痛い。余計なお世話だと思ってしまう。
家族は皆、「今の私は何もできなくていい、生きていてくれているだけでいい」と、口を揃えて言う。
私はその言葉を信じて今生きていた。
けれど…ある日母が叫んだのだった。
「このままじゃ私がどうにかなっちゃうわよ!」
私はその言葉にハッとした。
嫌だ。それだけは嫌だった。うつ病を抱えた母なんて。原因がその私だなんて。
いっぱいの涙が流れていくでしょう
ここで私はオシマイ アワレな女
粉々の心臓に 燃え切った私の命
どうして貴女は私の救済を止めてしまうの
あふれる涙は川になるの
もうぜんぶお終い 哀れな女
心は粉々に砕けて生命は燃え尽きてしまったのに
どうしてまだ貴女は私の救いのままでいるの
だから私は何度も一人になろうと思った。母の邪魔にならないところへ。家族を自分の放出する闇に巻き込まないようにと。それでも私は思うのだ……「遠くに行っても、いつか誰かが探しに来てくれる」と。そして、その通り家族は私を探しに来てくれたし、優しい母は辛いと言いつつも私をそばに置いてくれた。私の小さな世界には優しさが溢れているのだ……浸みて痛いほどに優しいのだった。
冷え切った唇にならぶあなたの嘘は
今にも舞い散る薄い花びらのようで
いっそ何とも思わなくなってしまえばいい
愛しさから生まれたこんな作り物なんて
どうしたら抜け出せる? この痛くて優しいループから。経験者の方が語ったように、七、八年すれば、私が再入院すれば止められる?
私は哀れだ。優しさを向けられて、嬉しく思いつつも、痛みも感じる。……私はそれが嫌だ。もう嫌なのだ。いっそ、このまま溜め込んで爆発でもしてしまおうか。
……そうしたら、私はどうなってしまうのだろう。
涙で霞む文字。私は懸命に文字を綴る……このやるせない気持ちをぶつけるために。
後書き
まずはここまで読んでくださり、ありがとうございます。
文章中に登場した曲、多分皆さん知らないと思うのでアーティスト名と曲名を。
・Mili「Nine point Eight」
・M2U feat.Guriri「Magnolia」
でした。使わせて頂き、本当にありがとうございます。
前三作「No Chroma.」は、うつ状態の時に書いたものです。私は双極性障害のII型だと自分では判断しておりますので、躁状態は軽いのですが、やってきます。うつ状態の時は何も食べたくなくなる、食べ物を見ると気持ち悪くなるほど拒食だったのに、躁状態に入ってからは過食気味で困っています。そして、それに担い、タイトルも変えさせて頂きました。「Messy」の意味は、ここでは「ぐちゃぐちゃな」と言う意味で使っています。前三作を読んでくださっている方は、「Chroma」の意味はお分かりですね? 知らない方、忘れてしまった方はGoogle先生にでも教えてもらいましょう。
とりあえず。躁状態ならではのぐちゃぐちゃな文字列を読んでくださって、今一度お礼を言いたいと思います。ありがとうございました。